シルバー2425 クリア後感想
2018年3月に日本一ソフトウェアより発売されたアドベンチャーゲームPS4「シルバー2425」をプレイしました。
これは1999年に発売されたPS「シルバー事件」とその続編として携帯ゲームで発売された「シルバー事件25区」の2つのタイトルをPS4でHDリマスター化して1本にまとめられた完全版となります。
シルバー事件
私はこの作品は今回が初プレイでして、よくあるタイプの推理ゲームをプレイする感覚で始めたわけですが、これが全然よくあるタイプじゃなかった!!証拠品を手に入れたり聞き込みをしたりして犯人をズバリ当てるなんてのをイメージしていたら大間違いですぞ!
移動やパスワードの解読などのゲーム的要素はありますが、アドベンチャーというよりはビジュアルノベル的な感じです。でもジャンルという枠には収まらない、もう「シルバー事件」というジャンルを新たに作ってもいい、そんなゲームでした。
まずキャラの名前を作成しますが、登場人物が皆カタカナなので、カタカナで作成すると、この世界にしっくりと馴染むのではないかと思います。しかしながら結局「デカチン」とかいう残念な呼び方をされることが多いので、まぁなんでもいいですかね・・・。
舞台は国家によって完全に計画され造られた都市「カントウ24区」。
「シルバー事件」の犯人、ウエハラカムイが収容中の病院から脱走した。
ということで、凶悪犯罪課の仲間と共に捜査に向かうところから物語は始まります。
移動したり調べたり話したりする操作が最初は馴染めなくて戸惑いましたが、徐々に慣れていきました。
映像もスタイリッシュでかっこいいですが、音楽がとてもかっこいいと思いました。
カトちゃんみたいな上司もいます。
突然100問クイズが始まってびっくりしたことも・・・。これ頻繁にきたらどうしようかと思いましたが、この1回だけでした!良かった!
肝心なストーリーがですね、もう進めば進むほどワケが分からなくなってきて、私の頭ではこのゲームまったくもって無理なんじゃないかと思いながらプレイしておりました・・・。
そしてポカーンなままゲームクリア・・・。
しかし!タイトル画面に戻ると、なんと分かりにくい感じに別のストーリーが!
「TRANSMITTER」の隣りに「PLACEBO」というのがあり、そこに新たなストーリーが追加されているようです。
このままポカーンなまま終るのも悔しいので「PLACEBO」編をプレイしてみましたよ。
「TRANSMITTER」編は主人公の視点でストーリーが進んでいましたが、「PLACEBO」編はフリーライター、モリシマトキオの視点で進んでいきます。
もしかしたら「TRANSMITTER」編と「PLACEBO」編の各章をそれぞれ交互にプレイしていくのが正しいのかもしれません。
「PLACEBO」編をクリアすると、ようやくストーリーの全貌が見えてくるのでした!ぼんやりと!なんとなく!
20年前に起きた「シルバー事件」の真相とは何かカムイの正体とは何かというのがこのストーリーの大きなテーマなのですが、調べていくと残酷で悲しい過去の物語が見えてくるという・・・。
とてもディープなストーリーですね。ハマるとどっぷりいきそうです。
シルバー事件25区
「シルバー事件」は「カントウ24区」が舞台でしたが、こちらは24区をテストサンプルとして造られた新たな理想管理社会「カントウ25区」が舞台となります。
「シルバー事件」から6年の月日が流れたある日、25区の「ベイサイドタワーランド」というタワーマンションで謎の異常な殺人事件が起きる。
というところから物語はスタートです。
登場人物もほぼ新キャラですが、ストーリーの根幹となる部分は前作と繋がっています。
ぎゃー!シンコさんカッコイイ!!
といった感じで25区は魅力的なキャラクターが多い!
オオサトとツキのコンビは最高だし、シロとクロのコンビもいい!
グラフィックも前作より美しく!
しかし操作性は前作のほうが良かったです。移動や会話などの切り替えが、ますますやりづらくなった感じがしました。
セーブボタンが見当たらず、シナリオの最後まで進めないとセーブできないのかと思いましたが、オプションボタンからできました。
そしてストーリーですが、私は前作よりこちらのほうが分かりやすいように思いました。今回のストーリーとキャラクター達が私の好みに合い、惹きつけられたからかもしれません。とはいえポカーンなところはやはり多々ありましたが・・・。
前作では「TRANSMITTER」編と「PLACEBO」編の2つの視点からのストーリーが存在しましたが、この25区ではなんと「Correctness」「Macthmaker」「Placebo」の3つの視点からストーリーを追うことができます。
タイトル画面で現れる人物のアイコンを動かしていくと「Macthmaker」や「Placebo」があるという分かりにくさ・・・嫌いじゃない。
そして今回の「Placebo」編も前作同様にフリーライター、モリシマトキオ視点でびっくりですよ。もしかしてキミは真の主人公なのかい!?
ちなみに「Correctness」は凶悪犯罪課視点、「Macthmaker」は地域調整課視点となっています。
「Placebo」編をクリアすると曇っていたストーリーに光が差し込むように全貌が見えてきます。これが衝撃的だし感動的でした。
特にGLG関連の話はとても良かったです。
エンディングは「シルバー事件」はひとつですが、「シルバー事件25区」のほうはマルチエンディングでした。マルチにも程がある!とキレたくなるほどのマルチです。
こうして全てクリアしてからも、あれはどういう意味だったんだろう?とか謎に思うことがいろいろあって、プレイ動画を見返してみたり、考察サイトを覗いてみたり、そんなことをしているうちにどっぷりとこのゲームの深みにハマっていくという恐ろしさ。
決して万人受けするタイプのゲームではありませんが、一度ハマれば神ゲーとなり得る、そんなゲームです。
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以下、ネタバレのつぶやき。
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「カムイとアヤメは惹かれあう」
プレイ中、ずっとこの言葉が頭から離れませんでした。呪いのような、けれど純粋なラブストーリー的な・・・。
「生まれて初めて嬉しい」
GLGとマチコにはずっと幸せに暮らしていてほしい。